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小話・滋賀県草津温泉 入浴体験記  (草津温泉体験レポート・番外編)

 ・・・本編を書く前に番外編を書いてるというのもおかしいことでしょうが。まあ本編を書くかどうかわからないし。

 さてみなさん、「草津温泉」がどこにあるかご存知でしょうか?
 群馬県と答えた方、とてもよく勉強されていますね。群馬県吾妻郡草津町草津に温泉街が存在します。これが入浴剤などでもお馴染の草津温泉(http://www.town.kusatsu.gunma.jp/)です。昨年秋の研究室旅行で行って以来、私のお気に入り温泉街No.1です。また行きたいと思ってます。

 しかし、実は「草津温泉」は他にもあったのです。知っていましたか?
 それは――滋賀県草津市に…。・・・そりゃただ地名が同じなだけだろうって? もちろん地名は同じなんですが、それだけではありません。なんと、ここには「草津温泉」と名乗る銭湯が存在するのです!!


 2002年春の日本物理学会は、立命館大学のびわこ・くさつキャンパスで行われました。
 はじめてこの情報を見たとき、私は「やった、草津温泉の近くで学会があるんだ!」と喜びました。もちろん、群馬県の草津温泉と混同しています。さすがに「けどなんで“びわこ”なんだ?」と疑問に思い、滋賀県の草津市であるということに遅れて気付きました。
 こんな勘違いは恥ずかしいので誰にも言わずにいたのですが、学会に来ていたKさんも同じように勘違いしていたそうです。おまけに滋賀県の草津市には「草津温泉」(という銭湯)があるらしいとの情報を提供してくれました。

 いずれは草津温泉体験レポートを書きたいと思っている私にとって、これは是非にも入っておかなきゃいけない銭湯です!! 大急ぎでインターネットで検索して場所を探し(本当にあるってことに驚き)、翌日Kさんと連れだって出かけてきました。

 インターネットの情報によると、「基本は沸かし湯だが、群馬県草津温泉と同じ成分のお湯が楽しめる」とのことでした。「草津温泉」という看板は伊達ではないようです。
 まあ、この草津温泉が本当に群馬県草津温泉のお湯を運んで来て、温めて使っているなら文句無し。もし「これは違うだろ」という内容だったら笑えるのでOK。・・・そんな気持ちで滋賀県「草津温泉」に向かいました。

 場所は1度行けばわかりやすい場所なんですが、はじめて行くとわかりにくいかも。私達は肉屋のおばさんに「草津温泉はどこですか?」と聞きました。すると、あら不思議!ちゃんと教えてくれました。ひょっとして地元ではお馴染なのかな…
 教えてもらった通りに行くと・・・ありました! 「草津温泉」。
 さすがに「草津温泉」と看板に書くのはJAROが許さないのか、看板に書かれている文字は大きく「Kusatsu Onsen」。漢字表記を期待していたんですが…まあいいか。

 ひとまず、銭湯の前で記念撮影。
 そして入浴してきました。

 まことに残念なお知らせですが…とてもまともな銭湯でした。

 外も中も結構、きれい。清潔感が漂います。湯舟などの広さも十分、男女別の入口は建物の中にあるという比較的新しめの造りです。そしてなにより、群馬県草津温泉のお湯がそれっぽかったです。いや所詮、偽物なのは承知なんですが、まさか滋賀県で草津温泉の雰囲気を楽しめるとは思ってもみませんでした。入浴料は350円。

 お湯質ははっきりとはわかりませんが多分、中性。
 白く濁ったお湯で硫黄の香りがします。(草津温泉で同じ感じのお湯に入ると、多分アルカリ性でぬるぬる感があると思うのですが、ここのお湯はぬるぬる感ナシです)

 硫黄の香りの奥にほのかに鉄の匂いがするあたり、かなり草津温泉っぽいです。
 ここの銭湯、内湯はすべて沸かし湯で、露天風呂のところに草津温泉のお湯があります。その配慮もとても気に入りました。草津温泉(っぽい)お湯につかって、星を眺めるというのはなかなかいい気分です。
 もちろん、本物の群馬県草津温泉に行くに越したことありませんが、京都旅行ついでに草津温泉の気分を味わうには丁度良い場所です。気に入りました。いずれまた行きます。

 ただひとつ気になったのは、その草津温泉のお湯に掛かっていた看板の文字。
  「群馬県草津温泉のお湯」
と書かれていれば何も問題ないのですが、書かれていたのは
  「群馬県草津温泉の
 ・・・くすり ???
 あのお湯には何が入っていたのか、いまもって謎です。


 そうそう、あともうひとつ。
 銭湯の前で記念撮影しましたが、そのとき通りすがりの会社員風のお兄さんにシャッターを押してもらいました。そのお兄さんにとってはじめての経験だったのでしょう。こんなところで記念撮影する二人組は。
 カメラを返してもらうときに聞かれました――
  「ここって、そんなに有名な温泉なんですか
・・・ヘボさを期待して来た…と答える勇気はありませんでした。

(2002.4.11)


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