最後にが
正方行列のときでも、同じことが言えることを見ていき
ましょう。
そろそろ私も書き飽きたし、みなさんも読み飽きたころでしょうから細かい計算
ははしょっていきます。
ここでもまた 具体的な行列で考えていくことにして、
固有値と固有ベクトルを規定する式は
でした。
この式を変形すると、
それぞれの固有値に対応する固有ベクトルの式を求めましょう。
今度は3次元空間中で直線の式を求めるのだから、それぞれの固有値につき平面
を表す式が2つずつ得られることでしょう。
に対応する固有ベクトル:
に対応する固有ベクトル:
同じように計算を進めます。得られる式は、
に対応する固有ベクトル:
これも同じく計算を進めます。 得られる式は、
固有ベクトル方向への写像として、
このから元の
に戻るために逆行列を求めると、
よって、いま考えている行列は
これらは「もともと考えている座標系から
固有ベクトルの方向を軸とする座標に移り、
行列の効果を考えた後で、
元の座標系に戻る」という操作をしているのでした。
以上での正方行列に対する具体例もお終い。
やっていませんがもっと一般にの行列、
行列に限らず一般の演算子についても、同様に考えることができると思います3。