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行列が2×2の正方行列のとき

次は$ 2\times 2$正方行列。ここから少し意味のある話になると思います。

一般論よりも具体例を考えたほうがイメージを持ちやすいと思うので、行列$ A$ の形を先に与えてしまいましょう。

$\displaystyle A=\left(
\begin{array}{@{}rr@{}}
5 & -2 \\
-4 & 7
\end{array}\right)
$

とします。

まずはこの行列$ A$の固有値と固有ベクトルを求めます。 固有値$ a$と固有ベクトル$ \vec{x}$というのは、

$\displaystyle A\vec{x}=a\vec{x}
$

を成り立たせるようなもの。右辺を左辺に持っていって、

$\displaystyle (A-aI)\vec{x}=0
$

いきなり出てきた$ I$というのは $ A$と同じ $ 2\times 2$の行列で、対角成分が全て1、それ以外は0という単位行列を表す記 号とします。つまり $ \displaystyle
I=\left(\begin{array}{@{}rr@{}} 1&0 0&1
\end{array}\right)
$ ということです。$ A$の値はすでに決めているので、先の条件式を具体的に書くと

$\displaystyle \left(
\begin{array}{@{}cc@{}}
5-a & -2 \\
-4 & 7-a
\end{array}\right)
\vec{x}=0
$

という式になります。 これが固有値と固有ベクトルを決める条件式です。


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平成17年8月29日