12月7日に、慣性モーメントの計算練習を行いました。その際に配ったプリントのHTML版を以下に公開します。
印刷される方はPDF版をご利用ください。
剛体の運動を求めようというとき、特に剛体の角運動量を求めようというとき、剛体の慣性モーメントは重要な役目を担います。そこで慣性モーメントをどのように計算したらよいのか、その方法を知っておくことが重要です。
どんな形の剛体の慣性モーメントでも計算できる!というのが理想ですが、せめて球・円柱・立方体くらいは確実にできるようにしておきましょう。 多重積分のやり方がポイントです。
質点がたくさん集った系での全角運動量 の時間微分を考えてみると、
これが慣性モーメントを計算するための出発地点となる式。(ここのは剛体全体での積分。つまり1変数の積分ではなく多重積分である)
慣性モーメントをあらかじめ計算しておけば、角運動量はと簡単に求めることができて、さらに剛体の回転に関する式は
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重心を含む直線を回転軸としたときの慣性モーメントが求められているとき、その軸と平行にだけ離れた軸を回転軸としたときの慣性モーメントは、
上の式は、 のに対して、変形していくと証明できる。
このは回転軸を原点とした座標である。 ここで重心の座標を であるとしよう。 「回転軸が重心を含む軸からだけ離れている」という条件から ということはわかっている。 さらに「重心を通る軸まわりの慣性モーメントが求められている」ということは の計算はすでにやっていて、それをと書くということ。 ここのとかは である。
さらに、
は剛体の全質量であるので……自分で計算できそうだと思えたら、ちょっと計算してみよう!
自分で計算してみて「どうもこの項が消えないなぁ…」という項があったら、そもそも重心の座標をどのように求めていたかも思い出そう。 、つまり
先に挙げた
ちなみにその答えは、
ちなみに対称な軸に対して回す場合。 軸で対称な物体で計算すると、 といった値は0になるので、軸まわりの角運動量は単純に と求めることができる。
対称な軸で回転していない場合は、たとえ軸に沿って回転させても、軸まわりや軸まわりの角運動量が現われる。
この文書はLaTeX2HTML 翻訳プログラム Version 2002-2-1 (1.70)
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Nikos Drakos,
Computer Based Learning Unit, University of Leeds,
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Ross Moore,
Mathematics Department, Macquarie University, Sydney.
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Niigata Inst.Tech.
を用いて生成されました。
コマンド行は以下の通りでした。:
latex2html index.
翻訳は 山本明 によって 平成17年12月17日 に実行されました。